元入所者男性が書く児童心理治療施設のすべて

児童心理治療施設の元入所者男性が、2002年4月~2006年3月まで入所していた児童心理治療施設のことを書いていく。

第14章その他 1入所について(1)入所前におこなうこと

入所前におこなうこと

 入所者は児童心理治療施設の入所前には相談、面談、施設の見学、体験入所をおこなうことになっていた。
 以下、順に説明していく。

①相談

 まず、子供を児童心理治療施設に入所させたい保護者が子供の様子・状況を児童相談所に相談することになっていた(入所を希望する子本人が自分の様子・状況を児童相談所に相談してもよかった)。


 そして、その子が不登校児か発達障がい児なら、児童相談所の担当者が子供と面談することになっていた。

②面談

 次に、子供を児童心理治療施設に入所させたい保護者のその子供(か入所を希望する子)は児童相談所の担当者と面談をすることになっていた。
 なお、面談の時は保護者が同席しなくてもよかった。
 面談では子供を児童心理治療施設に入所させたい保護者のその子供(か入所を希望する子)は児童相談所の担当者から児童心理治療施設の紹介を受けることになっていた。例えば、児童心理治療施設の場所、児童心理治療施設のおおまかな日課や児童心理治療施設の規則、児童心理治療施設入所までの目安期間などの説明を受けることになっていた。
 そして、面談の時に児童心理治療施設に入所させたい保護者のその子供(か入所を希望する子)が児童心理治療施設見学を希望すれば、児童相談所の担当者が児童心理治療施設に見学の予約をすることになっていた。

③児童心理治療施設の見学

 児童心理治療施設の見学を希望した子は児童心理治療施設に空きが出ると、児童心理治療施設の見学をすることになっていた。
 なお、児童心理治療施設見学の時に保護者は同行しなくてもよかった。
 児童心理治療施設の見学を希望した子は児童心理治療施設を見学する日時は平日の朝から昼となっていた。児童心理治療施設で見学する場所は児童心理治療施設の共用棟と児童心理治療施設の生活棟だった。なお、見学する生活棟は男子の場合は男子棟のみ、女子の場合は女子棟のみとなっていた。
 児童心理治療施設見学を希望した子は児童心理治療施設の見学の時は児童心理治療施設の職員との面談もあった。面談では児童心理治療施設の詳しい紹介を受けることになっていた。例えば、児童心理治療施設の日課や規則、施設内学級の授業、どのような入所者がいるかなどの説明を受けることになっていた。なお、面談の時は児童心理治療施設の職員に質問することもできた。
 そして、児童心理治療施設の職員と面談している子は面談の時に、児童心理治療施設入所を希望すれば、児童相談所の担当者が児童心理治療施設の体験入所の申込みをすることになっていた(児童相談所の担当者の判断で児童心理治療施設への体験入所を省略する時もあり)。
 なお、児童心理治療施設入所を希望した子は児童心理治療施設への体験入所の日程は児童心理治療施設の職員が提示するいくつかの候補の中から選ぶことになっていた(児童相談所の担当者の判断で児童心理治療施設への体験入所を省略する時もあり)。

④児童心理治療施設への体験入所(児童相談所の担当者の判断で省略する時もあり)

 児童心理治療施設入所を希望した子は児童心理治療施設への体験入所の日になると、児童心理治療施設で泊まることになっていた(児童相談所の担当者の判断で児童心理治療施設への体験入所を省略する時もあり)。泊まる期間は児童相談所の担当者が決めていた。短い子で2泊、長い子で5泊となっていた。なお、児童心理治療施設への体験入所の時に保護者は同行しなくてもよかった。なお、同行する場合、保護者と一緒に泊まることはできなかった。
 児童心理治療施設入所を希望した子は児童心理治療施設への体験入所の時は体験入所者専用の部屋(共用棟の宿泊室)で1人で泊まることになっていた。
 体験入所者は施設の規則に従うことになっていた。自分の部屋が共用棟の宿泊室であること以外は入所者と同じように生活することになっていた。入所者ができることのみ体験入所者もでき、入所者ができないことは体験入所者もできなかった。日課も入所者と同じだった。なお、学校は施設内学級に通うことになっていた。
 そして、体験入所者は体験入所が終わった後、児童相談所の担当者に児童心理治療施設への入所を希望すれば、児童心理治療施設入所が決まることになっていた。後は児童心理治療施設に入所する日までに転居の手続きをし、荷物を持って児童心理治療施設に入所するだけだった。
 なお、体験入所者は共用棟の宿泊室と生活棟(男子は男子棟、女子は女子棟)を行き来できる時間は午前8時20分頃、下校後すぐ、午後5時30分、夕食後すぐに限られていた。
 なお、体験入所者は下校後すぐに共用棟の宿泊室に戻ることになっていた。それと、夕食後すぐに共用棟の宿泊室に戻ることになっていた。
 なお、体験入所者は下校後すぐで共用棟の宿泊室に戻った後~午後5時29分、夕食後すぐで共用棟の宿泊室に戻った後~午前8時19分頃は共用棟の宿泊室で生活することになっていた。

入所までの待ち期間は3ヶ月~1年半ほど

 児童相談所に相談しても、すぐには児童心理治療施設に入所できず、空きが出るまで待つ必要があった。
 待ち期間は発達障がい児は3ヶ月~1年ほど、発達障がい児以外の不登校児は半年~1年半ほどだった。


 なお、児童心理治療施設は中3の4月末までに入所できない子は施設に入所できなかった。

凶暴な子や体験入所中に他の子とトラブルを起こした子は入所できないことになっていた

 凶暴な子や体験入所中に他の子とトラブルを起こした子は入所できないことになっていた。

退所日について

 小中学生は一度児童心理治療施設に入所すると、児童相談所の職員が決めた退所日まで児童心理治療施設を退所できないことになっていた。なお、中2の3月末までに退所日が決まらない時は施設から高校や養護学校高等部に通う時を除き、中3の3月に退所することになっていた。施設から高校か養護学校高等部に通う時は高校か養護学校高等部を卒業する年の3月末まで退所を延期できた。ただし、高校や養護学校高等部を中退したり留年になると、施設を退所することになっていた。
 なお、入所者の中には規則違反や法律違反で強制退所処分を受けて強制退所になる子もいた。
 なお、謹慎になったことのある入所者が規則違反や法律違反を繰り返した時や重大な規則違反(入所者による女子風呂の盗撮、男女の性行為、買春など)・悪質な法律違反をした時(傷害、放火、レイプなど)に強制退所処分を受けることがあった。
 謹慎を受けたことのない入所者が重大な規則違反(入所者による女子風呂の盗撮、男女の性行為、買春など)・悪質な法律違反(傷害、放火、レイプなど)をした時にも強制退所処分を受けることがあった。。
 なお、入所者は2回謹慎を受けると必ず強制退所処分を受けることになっていた(1年目は男子のみ謹慎3回で強制退所)(再入所した子の謹慎回数は初入所の日からカウント)。

関連記事へのリンク

第5章入所者への懲罰1入所者への懲罰(5)謹慎(一時保護所での謹慎)
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第14章その他 1入所について(2)入所した日におこなうこと
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